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小説

小松左京原作の小説「日本沈没」のあらすじ :ドラマ『日本沈没 -希望のひと-』が始まるにあたって

2021年10月10日からTBS日曜劇場でドラマ『日本沈没 -希望のひと-』が放映されますね。原作は小松左京(こまつさきょう)の長編小説『日本沈没』です。

小栗旬さんの演じる主人公は原作にはないオリジナルのキャラクターで、また、発表されている他の役柄の方も原作に登場しない人物が多いです。このため、設定もストーリーも2021年オリジナル版だと考えられ、どういったドラマなのかとてもワクワクしますね!

キャストについてはこちらの記事「日本沈没―希望のひと―」のドラマが楽しみ!主演は小栗旬!他のキャストは?に詳しく書きましたので合わせてご覧ください!

原作を知っていると、ドラマの面白さもより感じられると思い、今回は、小松左京原作の長編小説「日本沈没」のあらすじをまとめました。ドラマの前に原作を復習してみましょう♪

小松左京原作の小説「日本沈没」の概要

小松左京原作の小説「日本沈没」は、上下巻の2冊で角川文庫から発売されています。

文春e-booksから電子書籍版の上下巻全部が入った1冊が出ています。 amazon kindle で読めます↓


日本沈没 決定版【文春e-Books】

小松左京の小説「日本沈没」の目次

目次は以下のようになっています。

日本沈没(上)もくじ
  • 第一章 日本海溝
  • 第二章 東京
  • 第三章 政府
  • 第四章 日本列島
日本沈没(下) もくじ
  • 第五章 沈みゆく国
  • 第六章 日本沈没
  • エピローグ 竜の死

小松左京の小説「日本沈没」の簡単なあらすじ

おおまかに言うと、上巻は「日本が沈んでしまうかもしれない」という推測を、地質や気象や色々な科学者が検証していき、その証拠がどんどん上がっていって「本当に沈むんだ」と確信させられていく感じです。

下巻は火山の噴火や地震などの災害が次々と起こり沈んでいく日本列島と、日本から脱出する人々、残って日本と一緒に沈むことを決心した人々の心情などが良く書かれています。

ということで、原作では【日本は沈む】のです。しかし、この小説はこれまで何度も映画やドラマになっていて【沈まなかった】ストーリーもあるのです。日本が全部は沈まなかったストーリーは、2006年公開の映画『日本沈没』で、主人公の小野寺俊夫は、もとSMAPの草彅剛(くさなぎつよし)さんが演じています。

今回のドラマ 『日本沈没 -希望のひと-』ではどのようなストーリーになるのか気になりますね!

草彅剛さん主演の映画『日本沈没』はDVDで見られます!

小松左京原作の小説「日本沈没」の詳しいあらすじ

では、原作の章ごとに詳しくあらすじを見てみましょう♪

第1章 日本海溝

深海調査艇「わだつみ」号の操艇者・小野寺俊夫が主人公です。197X年夏。小笠原諸島の北にある無名の小島が、一夜にして海底に沈み、これを調査するため、地球物理学者・田所雄介博士は、深海調査艇「わだつみ」号の操艇者・小野寺俊夫、海洋地質学者の幸長助教授と共に「わだつみ」号で日本海溝に潜ります。

すると、たしかに数日前まで人の生活していた島が200メートルもの海底にあることを確認し、また、海底を走る奇妙な亀裂と乱泥流を発見しました。

第2章 東京

東京に戻った小野寺は、自分の務める会社:海底開発KKの上司のすすめで名家の令嬢・玲子と逗子の別荘で出会い、恋に落ちます。ところが、小野寺が深夜の浜辺で満ち足りた時間を過ごしていた時に大地震が襲います。

かろうじて小野寺と玲子は難を逃れますが、伊豆半島から湘南に掛けての沿岸は津波に襲われて甚大な被害を受けたのでした。

それから数日後、秘密裏に行われた内閣買う量との会議において、田所博士は首相に対し「為政者としてかなりな覚悟を決めておかねばならない相当なことが起こるかもしれない」「日本がなくなってしまうことも」と、日本沈没の可能性について口にしたのです。

第3章 政府

政界の黒幕ともいわれる渡老人が田所博士の説に興味を抱き、首相に指示を出し、政府は極秘に「D計画」を立ち上げます。この「D計画」とは、日本が沈没するかどうかを調査し、その前に国民を安全な他国へと移住させるためのプランだったのです。

しかし、日本列島崩壊のスピードは想像を超えて速く、九州の阿蘇・霧島が噴火し、関東・甲信越に巨大地震が連続して襲います。

その頃、小野寺、田所博士、幸長助教授それに老人と田所博士を引き合わせた邦枝などD計画のメンバーが、海上自衛隊の特務艦内で、海底探査の結果を分析し、「日本はいつ沈むのか」について検討していました。

議論を続けてもなかなか結論が見えないでいる中、東京湾沖でマグニチュード8.5の巨大地震が発生したのです。建物の倒壊や、津波や火事によって多くの人が命を失ってしまいました。

第4章 日本列島

人々はこの天変地異にパニック状態に陥り、政府は治安回復のため自衛隊を出動させる事態となりました。
そのころ、D計画の中心人物・田所博士と幸長助教授それに若い政府職員で情報科学者の中田一成と邦枝、そこに小野寺が、箱根の渡老人の別荘に集合し、言後の対応について話し合い、日本人の国外脱出とその後に関する計画を動き出させるのでした。

第5章 沈み行く国

次々と起こる地震と噴火、そして遂に富士山が噴火します。

政府は学術会議を招集し、学者らにそのことが来る日がいつになるのかを諮問しますが、誰も答えられず、数週間の検討の後、田所博士と幸長助教授が「日本列島が海原に沈むのは1年後」と結論を出します。

ついに首相は国民の前に「1年以内に日本が沈む」ことを公表し、海外への脱出をすすめることを発表します。

意外にも予想されたほどの混乱は起きませんでした。しかし、先祖代々の土地と運命を共にしたいと移住をしない決断をした人々も多くいました。

すでに政府は全国に食料の統制令を施行しており、スーパーにもコンビニにも食料はありません。配給品は高値で闇取引されています。小野寺はこの現状を見て悲しみにくれますが、玲子と婚約を約束し、淡い幸せを感じます。

そして、首相の発表からたった2ヵ月後に四国が沈んでしまったのです。

第6章 日本沈没

四国が海に沈んだのを機に日本列島全体が滑り出していきます。

各地で地震やそれによる地盤沈下や津波、噴火などの災害が絶え間なく起こっていました。小野寺と結婚を誓った玲子は富士山の噴火にまきこまれてしまいます。「必ず行くので、先に行ってて」と言った言葉を最後に電話も切れてしまいました。小野寺は玲子を助けようと現場に向かおうとしましたが通行止めで行けず、自衛隊の部隊に協力して逃げ遅れた人々を助けながら玲子を探すのでした。

しかし、小野寺は救助活動中に噴火に遭遇、巻き込まれてしまったのです。

エピローグ・竜の死

懸命の救助が自衛隊を中心に行われ、約8千万人の日本人が海外へと移住していきました。おもに世界各国の未開地に入植していったのです。

しかし、日本に残って列島と一緒に沈む運命を受け入れるという人々も多くいました。田所博士も渡老人も日本と運命を共にと残ったのでした。

小野寺は救助され、移住する人々を乗せた船の中で目を覚ましました。小野寺の「日本は、もう沈んだのだろうか?」という言葉にその場にいた摩耶子が船の窓の外を見ますが、何も見えませんでした。

まとめ

小松左京さんの小説「日本沈没」はこうして日本が完全に沈没して終わります

しかし小松さんはこの小説はもともとは「日本人が国を失い放浪の民族になったらどうなるのか」をテーマに書き始めたものだったそうで、日本が沈没するというのは、そうなるための舞台設定だったということなのです。

けれど、その後の物語は長いこと書かれず、2006年に、小説『日本沈没 第二部』が谷甲州氏との共著という形で出版されました。小説「日本沈没」が1973年に発売されてから33年後でした。出版を見届けて、2011年に小松さんは逝去されました。

小説『日本沈没 第二部』は、日本列島沈没から25年後、国土を持たない日本の民が世界各国に分散し、各国社会で生きる日本人の姿が描かれています。国土がない日本ですが、現在の首相はかつてのD計画の中心人物の中田一成。日本国を再生するための計画をすすめようとしています。

「日本が沈没する」という展開が、多くの人に衝撃を与えて、有名になって、近年特にパニック小説のように扱われている感じがしますが、【日本沈没 第二部】を読むと、小松さんが書きたかったのは、なるほどこれなのかと思わされます。『日本人とは』『日本とは』というのをとても考えさせられる小説です。

ドラマも見逃せませんが、ぜひ、原作の小説【日本沈没】と、その続編の【日本沈没 第二部】も読んでみてくださいね!

原作小説上巻・下巻↓

続編の小説【日本沈没 第二部】↓

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